来年から始まる新NISA口座の年間360万円の枠を、余裕で埋める気満々の方の、ネットで見掛ける発言……
「妻(夫)の枠も使って投資する!」
配偶者が専業主婦(夫)だったり低収入だったりで、新NISA口座を作ったとしても360万円の枠は埋まらない。
ならば自分の余っているお金をそこに充てよう、ってことなのでしょうが。
この戦略には注意が必要と思われますので書いてまいります。
贈与税
まずは贈与税。
年間110万円以上の贈与には、贈与税がかかります。
何も考えずに360万円を配偶者に渡してしまうと、110万円を超えた250万円に対して贈与税がかかってしまいます。
税率は段階的で、250万円なら15%で375,000円取られます(ToT)
他にも、
○贈与税は貰った方にかかる
(自分だけでなく、配偶者が他の人からもらった合計が110万円を超えないようにしないといけない)
○物品でも贈与になる
(宝石やブランド品などのプレゼントも贈与として計算される)
などに注意が必要です。
「名義貸し」はダメ!
次に「名義貸し」です。
「妻(夫)に口座だけ作ってもらって、管理や運用は自分でする!」
というのは「名義貸し」になり、法令に違反します。
具体的には、「口座の名義人の方が投資判断を行っていない、あるいは名義人の資金ではない場合」は「仮名・借名取引」と判断され、取引を制限される場合があります。
(参考:SBI証券「仮名・借名取引とは」)
配偶者のものは配偶者のもの
おそらくこれが一番重要だと思うのですが、
配偶者の口座の資産は、配偶者のもの
だということ。
贈与税を払った払わないに関わらず、贈与したら贈与された配偶者のものです。
手数料がバカ高い商品を買ったり、株の短期売買を繰り返したりして資産を溶かしても、あるいは売却して散財してしまったとしても、基本的には配偶者の勝手です。
なので、相手の理解や金融リテラシー、お互いの信頼を確認できてから贈与すべきでしょう。
投資を始めた後も、あなたの信頼が失われるようなことはくれぐれもしないようにしましょう。
(何とは言いませんが……)
「信頼を失う」話で言うと。
(そもそもやったらダメなんですが)配偶者の同意を得て名義貸し(というか借り)していた場合。
「離婚する!」となった時、配偶者に
「口座を取り上げられ、自由にお金を使わせてもらえなかった! 経済DVされてた!!」
なんてことを言われる危険性がないとは言えないので、絶対にやめておきましょう。
まとめ
一文で言うなら
「配偶者を信頼してるなら、配偶者も信頼してくれてるなら、(貰う側が)年110万円まで贈与しろ」
ですね。
つまり「信頼できないならやめとけ」です。
その見極めに関しては、ご自身でどうぞ。
という、独身(結婚歴なし)が考える、
「配偶者の新NISA口座で投資するべきかどうか」です。
独身だからこそ、どちらにも片寄らないフラットな意見だと思うのですが、いかがでしょうか?
コメント